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No.1

坂田甚内という開墾、
ん太郎という愚直。

Contents

 坂田甚内と、ん太郎。表紙のふたりの顔をもう一度、じっくりと見てほしい。「三十過ぎてからは顔が名刺」という言葉を如実に表してはいまいか。愉楽と苦みを堪能してきた人、真剣勝負の毎日を生きてきた人のそれまでの歴史が顔に凝縮されていると思えないだろうか。
 少なくとも、私はあることに気づかされる。歳を重ねることの価値と歓びを。そして怖さを。
 長い年月の間に自分の顔を創っていけるということに気づけば、やみくもに若さを羨むことはなくなるだろう。春秋に富んだ若さもいいが、生き方が刻まれた円熟もいいと思えるはずだ。
 このことは、男だけに限った話ではない。本当に美しいと思えるのは、その人の歴史が顔に集約されはじめてからだと私は思っている。両氏の表情は、その証左であることを、本誌の表紙で示していると確信している。
 坂田甚内氏は若い時分より早々と独立し、以来三十七年にわたり、独自の作風を開拓してきた。まさに「開墾」と呼ぶにふさわしい労働のごとき果敢な挑戦である。
 一方、ん太郎氏は、元プロボクサーという希有な経歴を持ち、現在は美容師として店を経営する傍ら、自宅の地下で作陶に打ちこんでいる。
 ふたりのよって立つ軸足は大きく異なるが、意外な共通点にも気づかされる。なにより、自らの生き方を作風に投影している点はあっぱれという他ない。芸術を志す者であれば、多かれ少なかれ、そのような要素を持っていることは当然と承知の上で、彼らが創り上げた独自の作風に敬意を表さずにはいられない。
 話しを戻そう。どのような生き方を通して、あるいはどのような作陶を通して、ふたりは「自分の顔」を持つに至ったのか、この特集記事がその本質をかいま見る一助となるのであれば、本望である。

●企画・構成・取材・文・制作/高久 多美男
●写真/小池 富雄・渡辺 幸宏

 

● fooga No.1 【フーガ 2002年 2月号】

●A4 約90ページ 一部カラー刷り
●定価/500円(税込)
●月刊
●2002年1月25日発行

 

おかげさまをもちまして、完売いたしました

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