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No.15

栃木とフレンチのマリアージュ
音羽和紀シェフの挑戦

Contents

 食が足りて後、食べることの歓びに対して不感症になってしまった現代の日本人たち。味覚は〈全世界共通の味〉に収れんされ、しっぽが退化したごとく、衰退の一途をたどるばかり。料理には、作る人の人柄が現れるというが、その論法で言えば、現在の風潮は人間性の喪失という結論に行き着く。スローフードがにわかに脚光を浴びているのも当然といえば当然のことだろう。
  
「オーベルジュ」の音羽和紀さんの良医を知る人は、彼の料理を表して〈あったかーい料理〉と言う。一流のシェフになりたいとの熱き思いを胸に秘めてヨーロッパで修業を重ね、ついに目指すものを獲得し、意気揚々と帰国した後は、頑迷と思われるほど故郷・宇都宮にこだわった。
自分の住む土地を誇りに思い、そこでの生活や文化を大切にするフランス人にならい、音羽さんは宇都宮にしっかり根を下ろしたのである。
 彼は一流の料理人であるが、と同時に一介の料理人に終わってはいない。
 ヨーロッパ修業時代、それまでまったく関係のなかった人たちに教えられ、育てられたことが、音羽和紀という人間の視野を広げたのだろう。現代の食を取りまく状況に危機意識を抱き、彼らから受けた恩を生まれ故郷で返そうと、自分が得たものを惜しげもなく差し出している。
 それは、まさに人間への限りない愛がなせる業であり、だからこそ、彼の作る料理は〈あったかーい〉のだろう。
 なぜフランスにこだわり、生まれ故郷にこだわったのか。その答えをこの特集で紐解きます。

●企画・構成・取材・文・制作/髙久 多美男・五十嵐 幸子
●写真/渡辺 幸宏

 

● fooga No.15 【フーガ 2003年 4月号】

●A4 約90ページ 一部カラー刷り
●定価/500円(税込)
●月刊
●2003年3月25日発行

 

おかげさまをもちまして、完売いたしました

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