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No.36

眠れる衣のものがたり
馬場和子さんのオートクチュール

Contents

 馬場和子さんご夫妻は、益子町でカフェとギャラリーを併設する「スターネット」を経営している。暮らしにかかわる衣・食・住のあらゆることへの、おふたりの哲学的ともいえるこだわりを実践したこの店には、スタイルだけではなく、考え方そのものに共感して訪れる人々があとをたたない。
 それについてはまたの機会に取り上げることにして、今回は、馬場和子さんの「古い着物をオートクチュールに仕立て上げる」というアーティスティックな試みを紹介したい。
 平成16年、11月にスターネット・ゾーンで行われた作品展のために創作された作品は18点ほどだが、いずれも大正から昭和初期に作られた古い着物が素材となっている。ご主人の手がける古民家の再構築プロジェクトで、時の止まった古民家の奥から再び日の光にふれた古布との出会いにインスパイアされ、和子さんは再びオートクチュールに挑んだ。
 6年ほど前、和子さんはそれまでの仕事を整理して、益子町へとやってきた。
 デザイナーとしての成功と華やかな人生を、かくも簡単にやめてしまえるものなのか、信じられない思いを抱えてスターネットへと向かった。180度の転身などと、ありきたりの言葉では捉えられない暮らし方、生き方がそこにはあった。
 人を貫く本質は、生きる場所や方法が変わっても、そう容易く変質するものはないのだろう。その眼差しで見つめれば、形は変われども、和子さんが作り続けてきた服には同じ記号が読み取れるのであった。
 言葉に魂が宿るのを、古い日本の言葉で「言霊」というが、人の手によって作られたものにも、きっと美しい魂が宿っているに違いない。
 ここで紹介する作品を通して、オートクチュールとはどんなものなのか、さらに、和子さんがなぜ、これらの古布を選んで美しいドレスを仕立てたのかを、服に宿る魂を感じながら味わっていただきたい。

●企画・構成・取材・文・制作/五十嵐 幸子・都竹 富美枝
●写真/渡辺 幸宏

 

● fooga No.36 【フーガ 2005年 1月号】

●A4 約90ページ 一部カラー刷り

●定価/500円(税込)
●月刊
●2004年12月25日発行

 

おかげさまをもちまして、完売いたしました

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