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No.37

漆アート[URUSHI-ART]
宮原隆岳・宮原楓翠
創造のストレイン

Contents

「JAPAN」。海外では「漆」のことをこう呼ぶ。中国をルーツに、日本で独自の発展を遂げた漆文化。数千年という長い年月とともに、脈々と積み重ね高められてきた機能性と芸術性は、遂には世界と肩を並べる一大文化としてその高みを極めた。結果、海外においてこの日本が世界に誇る独自の文化「漆」を、敬意を表して「JAPAN」と呼ぶようになったのである。
 さて、蘊蓄はひとまず置き、本題に話を移そう。ここ、栃木県の宇都宮を拠点に活躍をする漆作家の父子がいる。名は宮原隆岳、宮原楓翠。伝統工芸士の祖父から創造のストレインを受け継ぐ者たちである。
 取材初日、両氏の印象を鮮烈に決定づけられたエピソードをひとつご紹介したい。前述の「JAPAN」の話が出た際、両氏は漆の世界的な評価は認めつつ、こうも語ってくれた。
「なんだか『JAPAN』というと逆に枠をつくってしまうようでね。また漆は和風であるという固定観念も持ちたくない。想像力と好奇心は常に自由であるべきだから、あえて『漆』を『JAPAN』ではなく『URUSHI』と呼びたいんです」
 漆は、器や和洋の括りを越えてさまざまな表現の可能性を実現しうる希代の素材であり、またその可能性の探究に全霊を傾ける価値がある……「URUSHI」という言葉から、そんな彼らのこだわりと自負が鮮烈に伝わってくる。
 宮原隆岳と宮原楓翠、まさに用の美と表現の探求者と呼べる両氏の「URUSHI」をぜひご覧いただきたい。

●企画・構成・取材・文・制作/河内 秀文
●写真/渡辺 幸宏
●公式ホームページ【http://www.urushi-art.com/

 

● fooga No.37 【フーガ 2005年 2月号】

●A4 約90ページ 一部カラー刷り

●定価/500円(税込)
●月刊
●2005年1月25日発行

 

おかげさまをもちまして、完売いたしました

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