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No.67

ぼくのともだち
ハマのプチ・ファーブル
熊田千佳慕が描き続ける小さな命

Contents

 「僕は、できることなら虫になりたい」

 

 生物画家の熊田千佳慕さんは、九十六歳になった今も、毎日絵を描き続けている。その瞳は少年のようにキラキラしていて、虫や花のことをとても楽しそうに、また愛おしそうに話してくれる。熊田さんの描く虫や植物たちには、うそやごまかしはいっさいない。人間の視点で対象を見るのではなく、虫なら虫、花なら花の目線でじっと見つめる。熊田さんは自然の一部となり、純粋な心で彼や彼女たちを描いてきた。虫たちを“ともだち”と呼ぶ熊田さんが虫になりたいと思うのは、幼い頃から今日までずっと、虫や植物たちと触れ合いながら揺るぎない友情を育み、その世界を深く理解しているからだろう。

 

 すべてのものに命がある。どんなに小さく、声を持たないものたちも、懸命に生きている。そこには、あなたと同じ命が存在している。私たちが忘れてしまった大事なことを、絵の中の虫や花たちが、優しく語りかけてくれる。

 

 ベランダに緑が溢れるアトリエで、熊田さんは今日も一人、小さな命を描き続ける。

●企画・構成・取材・文・制作/岩本 美香
●写真/渡辺 幸宏

 

● fooga No.67 【フーガ 2007年 8月号】

●A4 約90ページ 一部カラー刷り

●定価/500円(税込)
●月刊
●2007年7月25日発行

 

おかげさまをもちまして、完売いたしました

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