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No.68

時空を描く
日本画家 片柳直美の世界

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 人はなぜ絵を描くのか。なぜ描きつづけるのだろうか。
 「絵を描く」という行為は人類の誕生とともにあるという。言葉や文字らしきものが存在するようになるはるか昔から、意思表示や伝達する手段として人は絵を描いてきた。また、描くということは、人間にとってごく自然な欲求からくるのだと、ある学者は説いている。お腹が空いたなどという生理的なものや、怒り、悲しみという感情的なものと「描く」という行為や欲求は同じだというのだ。
 私は子どもの描く絵がとても好きだ。それは他人の評価などまったく気にしない原始的で純粋な意思表示だから。描かれているものが、動植物や身近な人間を描いた絵だとしても、単に描写や模写をしているだけでなく、人や物を媒体としたメッセージだから。
 子どもには大人がもっている、これが綺麗だとか高価だとか、可愛いだとかという固定観念や、価値観は存在しない。純粋で、多様な表現に満ちた子どもたちの絵に私は驚き、感動するのだ。
 しかし、成長し、大きくなるにつれて周囲の大人たちの評価が気になり、ありふれた価値観に染まり、小手先の「良く見える、良く見せる」ことに執着するようになる。小学校高学年にもなると、そのほとんどが平凡で表面的な絵になってしまう。
 大人になり、画家としての道を志すようになってからも、子どものような純粋さで、独創的な価値観で描きつづける若き日本画家がいる。
 その画家の名は片柳直美。
 圧倒的なエネルギーと、強烈な印象を放つ絵は、見る人を魅了してやまない。特定の集団に属することを拒み、群れることを嫌う孤高の画家をご紹介する。

● fooga No.68 【フーガ 2007年 9月号】

●A4 約90ページ 一部カラー刷り
●定価/500円(税込)
●月刊
●2007年8月25日発行

 

おかげさまをもちまして、完売いたしました

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