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No.71

演じることは、生きること。
横浜夢座座長・五大路子

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 自分の夢に向かって生きている人は、年齢に関係なく、エネルギッシュで眩しいくらいに輝いている。その姿に人々は魅了され、いつの間にか発せられるエネルギーの渦の中に巻き込まれている。それは、息苦しかったり、溺れてしまうようなものではない。穏やかだが力強く、心地いいのに刺激的、そしてとても前向きな力の渦だ。

 

 五大さんは長年、横浜オリジナルの芝居を、横浜から発信したいと思い続けてきた。横浜は自分の生まれた土地ということもあるが、それ以上にここには自分自身を引きつけて離さない何かがあるのだという。

 

 「愛着…相性…運命とでもいうのかしら」

 五大さんはゆっくりと言葉を選びながら、愛おしそうに微笑んだ。

 

 一九九九年、その思いがひとつのかたちとなる。五大さんの“夢”に共感した仲間が集まり実行委員会が発足し、五大さんを座長とした『横浜夢座』が誕生したのだ。

 

 企画・制作はもちろんのこと、さまざまな資料の収集、スポンサーの獲得、俳優のオーディションからチケットの販売まで、すべてのことを自分たちで一からやらなければならないという苦労はあった。もちろん今でも、資金集めはそう簡単じゃないのよ、と五大さんは言う。しかし舞台に立ち、たくさんの観客を目の前にするたび、どんなことでも乗り越えられると思わずにはいられないのだ。そしてその“夢”は、私たちの心に豊かな感情の波を運んでくる。

 

 テレビや映画、舞台など、場所は違っても演じ続けることで夢を一つずつ現実にしてきた五大さん。それは何も特別なことではない。毎日を精一杯生きている五大さんにとって、演じることというのは、食べることや寝ること、歩くことや笑うことと同じなのだ。演じることに夢中になるのは、生きることに夢中になること。

 

 五大さんの夢には、まだ続きがある。だから、立ち止まってなどいられない。悩むことはあっても、それを前向きな力に変えてきた五大さんの生き方は、私たちを励まし、勇気づけてくれる。

 

 人生はドラマだ。現実という舞台で一度きりの物語を、みんな自分を演じながら生きている。思いきり演じて、思いきり生きる。五大さんが教えてくれた、大切なこと。

●企画・構成・取材・文・制作/岩本 美香
●写真/渡辺 幸宏
●公式ホームページ【http://www.with.if.tv/

 

● fooga No.71 【フーガ 2007年 12月号】

●A4 約90ページ 一部カラー刷り

●定価/500円(税込)
●月刊
●2007年11月25日発行

 

おかげさまをもちまして、完売いたしました

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