大敵と見て懼(おそ)るべからず 小敵と見て侮らず
河竹 黙阿弥
河竹黙阿弥は江戸から明治にかけて活躍した歌舞伎・狂言作家。
他の誰も追随できない独自の作風は「黙阿弥調」と言われている。
「強大だからとおそれることはない。弱小だからと侮ってはいけない」
私たちはどうしても、相手が強いと思うと弱腰になり、弱いと思うと軽んじてしまいがちだ。
しかし、相手がどうあろうと自分を冷静に保ち、全力で対応することが必要なのだろう。
真の敵は相手や世間ではなく、困難を前に弱気になったり、調子に乗って傲慢になったりする、己の心にこそ潜んでいるのかもしれない。
(110215第8回)