落語を面白くするには、面白くしようとしないこと。
五代目 古今亭志ん生
古今亭志ん生(五代目)は、言わずと知れた昭和の大名人。天与の才能と破天荒な芸風から紡ぎだされる落語で、聴衆を魅了し続けた。
誰にも真似できない面白さで今なお人気の志ん生だが、「面白くしようとしないこと」が「面白い落語」の条件だと語っている。
たしかに、「面白くしたい」「格好よくしたい」という心理は、意外に相手に伝わるもの。そうした意図を察するとき、受け手の興が冷めてしまうこともある。
真に人の心をとらえるものは、「自然体であること」から生まれるのかもしれない。
(110815第20回)