この道より 我を生かす道なし この道を歩く
武者小路実篤
問題は「我を生かすこの道」をどうやって見つけるかだ。
人生の多くの時間、とりわけ青春時代に、この問題の答えを求めて人は彷徨する。
「愛してその人を得ることは最上である。愛してその人を失うことは、その次によい」
とウィリアム・サッカレーがいうように、自分だけに天が与えた道とやらも、求めて得られればいうことなしだ。
しかし、たとえ道が見つからずとも悔やむ必要はない。
「この道」とは別に、万人に平等に与えられた道があるからだ。
それは「道を求めて歩きつづける」という道。
だから私たちは、歩きはじめたその日から、胸を張って生きていけばよいのだ。
(130220第55回)