悲観的に準備して、楽観的に行動する
田口佳史
『孫子』の兵法書に次のような一文がある。
「将、吾が計を聴きて之を用うれば、必ず勝たん」
時間をかけて、さまざまなリスクを想定しながら準備をしていれば目標は達成できる、という意味だが、田口氏はこれを上記のように解釈する。
しかし、たいていの人は、この逆のことをしているのではないだろうか。面倒だからと後回しにして、そのときになってあたふたと慌てることはないだろうか。
イチローは高校時代、恩師から「プラス思考」と「慎重さ」を使い分けるよう教えられたという。練習中は「自分は未熟だから誰よりも練習が必要」と思い、本番では「必ず出来る」と自分に言い聞かせてバッターに立つ。
これこそまさに、「悲観的に準備して、楽観的に行動する」の良い例だ。
(150824第114回)