努力することイコール苦しいことと考えるのは止めよう。もし苦しいだけなら、どんな天才だって続かない
森瑤子
生前、オシャレ番長として若い世代から同世代の女性たちに支持されていた森瑤子。作家としての頭角を現しはじめたのは、なぜか男にもてなくなってからだというが、その作品を読めばそれもなんとなくわかる気がする。
彼女は努力家だった。私生活でも公でも自分が望む生き方を選び、それを貫き通した。たとえ、まわりになんと言われようと、自分が選んだ責任は自分で果たそうと努力した。
彼女はこうも言っている。
「何ひとつとして、運が良くて手に入ったものや、棚ぼた式で手に入れたものはない。私がそれを欲しいと強く望み、そのために努力して得たものばかりである」と。
52歳でこの世を去った彼女の一生が、短かったのかどうかはわからない。
ただ、全力でその生を生き抜いたことは確かだろう。
努力を惜しまないということは、苦しみの中で生きるということではなく、生きる歓びを味わうために力を尽くすということだと、彼女の生き方が教えてくれる。
(151013第128回)