植物を手本にして生きれば、まちがいはない
木村秋則
「奇跡のりんご」で知られている木村秋則氏は、人間は植物がいなければ生きていけないから植物を手本にすればいいと、その体験から提言する。
生き方はもちろん、子育てから企業経営まで、すべてにおいて通じると。
なぜか。
人間も自然の一部である以上、その営みは自然の摂理に則る以外にないから。たとえ、法則からはずれるようなことがあっても、いずれどこかで帳尻があうようになっている。それとなく感じたことがある人もいるだろう。
木村さんはいう。
「植物が成長するためには、葉っぱはなくてはならないのな。植物は根からの水と養分、それに葉っぱからのでんぷんがないと育たない。だから、葉っぱがないとやがて枯れていく。葉っぱは末端でしょう。末端というのは地方のこと。地方がきちんと成長しないと、幹も生長していかないのな」
経営者たちの前で、木村さんは独自の観察眼から気づいた、植物を参考にした経営論を唱える。
根と幹と枝と葉っぱ。
植物にとって、どの部分も必要だから存在するのであり、すべてがバランスよく循環していることが健康の証なのだ。
健康に育つための土壌と環境を整え、根を育てる時期、枝葉を伸ばす時期を見きわめたい。
(160204 第163回)