賢明に使えば使うほど、お金はいい召使いになる。そして面白いことに、お金や財産を良い物だと思っている人のところには、自然とお金が集まるようにできているものらしい
渡部昇一
英語学者であり評論家でもある渡部昇一氏の著書『歴史通は人間通』より抜粋した。
古今東西において、お金ほど話題に事欠かないものはない。
とはいえ、正面切ってお金の話を持ち出すと、ことさら嫌な顔をする人は多い。内心、「ほんとうは好きなんでしょう?」と言いたいのだが…。
人が生きていくうえでお金は必要不可欠なものである。とくに、現代社会では、無一文で暮らせるほど世の中そんなに甘くはない。
人間本来無一物ではあるが、無一文では立ちゆかなるのはお坊さんたちも重々承知である。
お金が悪いわけではない。使う人間の如何によって良くも悪くもなるだけなのだ。物事を良いように捉えるのか、悪いように捉えるかで人生がまったく変わってくるのと同じように。
渡部氏の言葉を少し変えてみるとわかりやすい。
「頭を賢明に使えば使うほど、知識や知恵はいい召使になる。そして面白いことに、知恵や知識を良い物だと思っている人のところには、自然と同じような仲間が集まるようにできているらしい」
さて、いかがだろうか。
(160310 第174回)