自立とは、人間の尊厳を守り、人としての誇りをもつことです
以前にも紹介した前衆議院議員及び前杉並区長の山田宏氏の言葉である。
今、さまざまな場面で「自立」という言葉が叫ばれている。いや、それは、今も昔も変わらない。
子供から大人へと成長する過程で、必ず問われるのが「自立できるか否か」であり、親や周りの大人が子供に対して教育をするのも、すべては「自立」のためである。
では、そもそも「自立」とは何か。
辞書にはこう書いてある。
「他に依存することなく、自分自身の判断に基づいて責任をもった行動をとること」
「親からの経済的援助などを受けず、社会人として自分一人の力で生計を立てること」と。
つまり、自らの力で稼いで生活を営み、他者の判断ではなく、自己責任の上で自らの判断に拠って生きていくということ。
海外援助で最も喜ばれるのは、ただ資金を援助するのではなく、永続的に生活ができるようなノウハウを教え、自立ができる道をともに探すことだと言われている。
また、生活保護を受けている求職者や障害のある人を積極的に雇用しているある企業の社長は、彼らが賃金以上に喜んでいるのは働く喜びを知ったことだと言っていた。
彼らは、自分が社会の役に立っているということと、自らの手で稼いでいるということが自信につながり、堂々と胸を張って生きているのだそうだ。
世界には、自分の意志で住む場所も仕事も決められない国がたくさんある。そのことを考えると、これほど恵まれた日本という国に生まれたことが僥倖に値する。
今一度、「自立」の意味を考えたい。
(160407 第183回)