価値ある人生を活きるには、まず自分の本質の尊さを正しく自覚することが必要である
中村天風
日本初のヨーガ行者で心身統一法を世に広めた中村天風の言葉である。天風は、重度の結核によって弱くなった精神を鍛えようと、行き着いたインドで宇宙や生命の原理を体得し、悟りを開いたという。
天風が書き残した箴言は、宇宙からのメッセージにも思える。
「一度きりの人生だから…」と人はいう。
それなのになぜ、望むような人生とはならないのか。
天風はそれに対し、「自分の本質の尊さに気づいていない」と指摘する。
「自分の本質の尊さ」とは何か。
「自分らしさ」である。
人も自然の一部として「あるべきうやうわ」と説いたのは高山寺開祖の高僧、明恵上人だが、自然のありようこそ人のありようだということ。
天風はこうも言っている。
「健康や運命というものは、それを消極的に考えない人びとにのみ恵与されるよう、宇宙真理ができている」と。
自分自身の本質を疑うなかれ。
あるべきように生きてみよう。
(160720 第217回)