人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ
「世界の三大喜劇王」のひとり、チャーリー・チャップリンの名言だ。
孤児院で育った不遇のときも、決して未来への希望を捨てなかったチャーリー。この言葉の背景には、勝ち気な性格が自らの人生を切り開いていったという体験があった。なんともチャーリーらしい言葉ではないか。
人はだれしも、何か良くないことが起きると感情が先立ち、そのことは悲劇的な出来事と決めつける。
しかし本当にそうだろうか。
「あのことがあったおかげで…」ということをよく耳にする。
悲劇と思ったことが実は、その後の人生を好転させるためには必要不可欠な出来事だったということは往々にしてある。
大切なのは、起こった出来事をどう次につなげていくか、ということ。
今この瞬間に起こったことは、次の瞬間にはすでに過去のことになる。
そうやって物事は過ぎ去るのだし、命の時間も減っていくのだ。
この世に生まれ落ちるとき、われわれは神さまから片道切符だけを手渡されてきた。
ずっと見守っているから、その切符を握りしめて旅を楽しんでおいでと。
思わぬハプニングもあるだろう。
行き止まりの道も、旅をやめたくなることもあるに違いない。
しかし、人生という旅を締めくくるとき、道中を共にする仲間との出会いや行く先々で出会った人たち、町の風景は自分にとってかけがいえのない宝になっているはず。
さあ、おもいきり旅を楽しもうではないか。
(160925 第239回)