他人の意見ではなく、自分のなかの声に耳を傾ける。最も大切なのは、自分の心と直感に従う勇気をもつことだ
今やその存在は神格化され、記録に残る言動ひとつひとつが神の教えのごとく尊ばれるようになったスティーブ・ジョブズ。
彼が残した数多くの功績の原点は、すべてこの言葉に集約されているといっていい。禅に深く親しんだ彼らしい言葉だ。
選択に迷い悩んだとき、誰もが一度や二度、他人に意見を仰いだことはあるだろう。
しかし、その意見は納得できることばかりではない。
それはそうだろう、答えはすでに自分の中で決まっているのだから。
他人に意見を聞くのは、自分の考えの正しさを確認したいだけなのだ。
このとき2つのタイプにわかれる。
違和感を覚えたまま他人の意見を取り入れる人と、それでも自分の考えを貫く人。
おそらく前者の多くは悪循環を招き、後者は好循環を招くにちがいない。
結果が良くなければ、前者は少なからず「あいつがああ言ったから」と上手くいかなかった言い訳を考えるだろうし、「ああしておけばよかった」「こうしておけばよかった」と後悔も残るはず。
しかし、自分の意志で決めたことなら、どういう結果になろうと他責にはしないし、そもそもできない。諦めたり次に進むための覚悟もできる。
人生は選択の連続。
今この瞬間も、前後左右の選択をしているのだ。
まちがってもいいじゃないか。その方がいろいろな経験もできる。
人生に、これが正しいという選択はない。
心は何を求めているのか、よーく耳をすましてその声を聞いてほしい。
(161101 第251回)