人間というのは概して、自分の頭で見つけた理由のほうが、他人の頭で発見された理由よりも、深く納得するものだ
ブレーズ・パスカル
「人間は考える葦である」という言葉で有名な、フランスの数学者であり哲学者のブレーズ・パスカルの言葉。彼の死後に編纂して刊行された著書『パンセ』から抜粋した。
子供の頃は親や大人の意見はうるさいだけだったが、大人になってようやく「ああ、あのときのあれはこういうことだったのか」と、納得することは多い。
他人に相談したり悩み事を打ち明けたりするときも、たいてい答えは自分の中で出ているものだ。
想像していた答えと違う答えが返ってきたら、なんとなくムッとして反発したくなるのもそのせいだろう。
たとえ間違っていたとしても、自分自身が納得しなければ間違いだということも受け入れられない。
それくらい、本来人間は自分を信じるようにできている。
「考えよ!」
と、パスカルは言う。
「考えることが人間の尊厳のすべてであり、人間の偉大さをつくるのである」と。
自分の頭で考え導き出した答えなら、誰に何を言われても堂々と胸を張れる。
それが自信というものだろう。
(161125 第259回)