人生に待ち受ける扉で、簡単に開くものはない。もし簡単に開いたとすれば、それはあなたを成長させる節目の扉ではない
日本フランス料理界の重鎮である小西忠禮氏の言葉。小西氏は、本場フランスの三つ星ホテル、名門ホテルリッツで厨房をまかされ、給料をもらえるスタッフとしてリッツに採用された最初の日本人である。
大志を胸に20代で単身フランスに渡った彼は、待ち受ける数々の堅牢な扉を自らの手でこじ開けてきた。鍛え抜かれた体と精神力がそれを可能にしたのだ。まさに「天は自ら学び続けるものを助く」を体現する劇的な人生である。
以前、本欄でも紹介した。
「すぐに得たものは、すぐに失われる」と。
簡単に手に入ったものは、すぐに出ていくというのは万古不易な法則だろう。
何かを成そうと思っても、立ちはだかる壁があまりにも分厚くそびえ立っていれば怖じ気づいてしまう。
しかし、扉ならどうだろう。
なんとかこじ開けたいと思うのではないか。
求めるものが、その向こうにあると分かっていればなおさらだ。
簡単に開く扉より、なかなか開かない扉が気になってしまうのも人間の心理。その扉を開くことができたら、どんなに喜びは大きいか。
人は、自分が思っているほど弱くはない。
目の前に立ちはだかるのが壁ではなく扉なら、開くと信じて力を尽くし智恵を尽くせば、いつか必ず開く日は来る。
堅牢な扉をひとつ開くごとに、自分の力はパワーアップしているにちがいない。
小西氏の激動の人生を追った著書『扉を開けろ 小西忠禮の突破力』(髙久多美男著)が本日発売になった。
詳細は本サイトブログにて。
https://www.compass-point.jp/blog/
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