森の中で道が二つに分かれていた。そして私は人があまり通っていない道を選んだ。そのためにどんなに大きな違いができたことか
アメリカの詩人、ロバート・フロストの『The road not taken(歩む者のいない道)』という詩の中の一節。
始まりはこうだ。
─ 黄色い森の中の道が二つに分かれていた
残念だが両方の道を進むわけにはいかない
一人で旅する私は、長い間そこにたたずみ
一方の道の先を見透かそうとした
その先は折れ、草むらの中に消えている……
同じように見えた二つの道。
フロストは草が生い茂る道を選んだ。
その道は誰かが通るのを待っていたからと。
そして最後にこう締めくくる。
… いま深いためいきとともに私はこれを告げる
ずっとずっと昔
森の中で道が二つに分かれていた
そして私は・・・
そして私は人があまり通っていない道を選んだ
そのためにどんなに大きな違いができたことか ─
ある人が言った。
「ぼくは人の逆をやろうと思っています」と。
その理由は西式健康法の創始者、西勝造氏の思想にあった。
13歳のときに医者から20歳まで生きられないと宣告された西氏は、医者がいうことの逆をやってみた。その結果、病状はみるみる改善したという。
人と同じがいいわけではない。
だからといって、違うことだけがいいともかぎらない。
人生は選択の連続。
何を選ぶかは自分次第。
たとえ大衆の意見に逆らうことであったとしても、自分で選んだ道なら悔いはない。
みんな違うってことは、みんな同じなんだから。
(170326 第299回)