その思想がたとえ高潔なものであっても、人間の最終目標は思想ではなく行動である
トーマス・カーライル
トーマス・カーライルは以前にも紹介したことがある。イギリスの歴史家であり評論家の彼が後生に伝え残した言葉は数多く、時代を経てもなお色あせることはない。
評論家であったカーライルこそ、思想のかたまりだったはずである。だからこそ、この言葉が浮き上がってくるのだ。
ある人が言った。
「人生は学び以上に行動が大切だ」と。
この言葉に補足しよう。
「人生は学びと行動の連続である」と。
生きていると実感できるのは、何かに心動かされたり、自ら動いて事をなしたりするときだろう。
食事をしたり、服を着替えたり、トイレに行くというあたりまえのことが自分でできることほど幸せなことはない。病気になって動けなくなったとき、普段できているはずのことができなくなって、ようやくそのことに気づく。
大病を患った人が口を揃えて言うのも、たいてい当たり前のありがたさではないだろうか。
だとしたら、生きるとは、自ら動くことであり、動いた結果から学びとることではないかと思う。
たとえそれが失敗の連続であろうと、次につながるヒントは潜んでいる。
人生に祝福される秘訣は、行動と学びの連続にある。
(170520 第317回)