人間は選択して決意した瞬間に飛躍する
キルケゴール
デンマークの哲学者、キルケゴールの言葉である。
キルケゴールと言えば、実存主義の創始者、その先駆け的存在で知られている。
観念論者であるヘーゲルへのアンチテーゼとして打ち立てた思想は、いくぶんネガティブ感を漂わせてはいるものの、人間の内に潜む本質は、なるほどそうかもしれないと思わせる。
決断するときというのは、何かを断ち切るときでもある。
これまでの考え方、これまでのやり方など、「これまで」と決別し、「これから」を作り上げていくということ。
つまり、決断とは、前進することでもある。
日々の小さな決断から、人生の分岐点での大きな決断など、すべてが前向きな決断ではないにしろ、何かを断ち切って決めたことをしようとする姿においては、すべて前進していると言ってもいい。
一瞬一瞬が選択の連続であり、その選択を決めるのは自分自身。
結果がどうであれ、決めたからには責任をもつ。
責任をもつことで、覚悟が決まる。
覚悟が決まれば、あとは先に進むだけ。
選択し、決意するたびに新しい扉は開いてゆく。
覚悟の連続が、人生を豊かに、高次へと向かわせる。
(170803 第340回)