仕事の種類が幸福にするのではなくて、創造と成功の歓喜が幸福にする
カール・ヒルティの『幸福論』から。幸福は仕事からしか得られないと説くヒルティは、仕事の充実こそが幸せの源泉であり、最大の不幸は仕事のない生活であり、生涯の終わりにその実りを見ることのない生活だと説いている。
今の世の中は、さまざまなものにあふれすぎている。
食べ物も、モノも、仕事も、情報も、ありすぎるから、人は迷うのだ。
何を食べればいいのか、どんな仕事をすればいいのか・・・迷いに迷う。
「なんでもある」という状況は、ある意味、不幸なことなのかもしれない。
「これしかない」となれば、その中で工夫をこらし、納得のいくものを生み出そうとするのだから。
冷蔵庫にたくさん食材があるときほど、たいした料理はできなくて、むしろ、限られた食材しかないときの方が、あれこれ工夫をこらして美味しい料理ができたりする。
そんなとき、「してやったり」という、何ともいいようのない喜びがある。
不可能が可能になったような、できるはずもないことが、創意工夫によって成功したことによる喜び。
そういう喜びは、料理だけに限ったことではない。
仕事も同じ。
これしかないと思ったら、その仕事を最高のものにするための創意工夫はできる。
質を高めるためにはどうすればいいのか、もっと効率よく仕事をすすめるためにはどうすればいいのか、何が足りていて、何が足りないのかなど、いろいろ工夫することはあるだろう。
収入を得るための仕事はもちろん、家事や雑用であっても、創意工夫するだけで楽しみに変わる。
何をするかではなく、どんな風にするのか。
心持ちひとつで、どんなことも楽しめるのだ。
(170903 第350回)