夢は逃げない。逃げるのは、いつも自分自身だ
石郷岡敬佳
独学で絵を学んだ石郷岡敬佳は、抽象画で一躍人気画家となり、フランスの古城を手に入れアトリエにしたというツワモノである。夢を夢で終わらせなかった理由のひとつが、これなんだろう。彼の人生において、〝夢から逃げる〟ことは人生を諦めることでもあったのかもしれない。
そんなの夢でしょ。
夢みたいなことを言ってんじゃない。
などと、頭ごなしに夢を否定するのは、たいていは大人。
いや、今じゃ大人顔負けの悟りきった子供もいるようだから、そうとも言えないか。
一度でも夢を抱いた人間なら、おそらくわかるはずだろう。
夢を叶えられる人と叶えられない人の違いを。
松下幸之助も言っている。
「成功するまで続けて成功」と。
夢に向かって歩き出すのも自分なら、歩みを止めるのも自分。
目的地の設定は、自分自身でいかようにも設定し直せるが、目的地そのものがあっちこっちと動くことはない。
長い道のりなら疲れることもあるだろう。
険しい道ならなおさらである。
だとしても、叶えたい何かがあるなら前進あるのみ。
ときには寄り道してもいいだろうし、途中休憩してもいいじゃないか。
そうやって、呼吸を整えながら一歩一歩、歩き続ければいい。
心に夢を描いたそのときから、夢は逃げも隠れもせず、ただ叶えてくれることを待っているのだから。
(180318 第413回)