苟(まこと)に日に新なり、日に日に新にして、又日に新なり
中国の古典「四書五経」のひとつ、「大学」の中でも比較的有名な言葉。殷の湯王が毎日使う洗面盥に刻んだ句だという。明治維新の「維新」は「維(こ)れ新たに」という意味で、この句が元になっているそうだ。松下幸之助が好んだ句としても知られている。
質問。
今朝の目覚めは、良かったですか? 悪かったですか?
清々しく朝を迎えられましたか?
それとも、鬱々と重苦しかったですか?
その日の良し悪しは、朝のスタートが決め手。
良いスタートを切るのか、悪いスタートを切るのか。
その違いが一日を左右するといっても過言ではない。
では、どうすれば朝の目覚めを良くできるのか。
それは、今日という日を新しい一日と思えるかどうか。
「40、50はもちろん、70、80になっても情熱を燃やさなきゃ。明日に死を迎えるとしても、今日から幸福になって遅くはない」
とは、心身統一法を世に知らしめた中村天風の言。
人生は心一つの置き所と言い、いくつになっても幸福を手に入れることはできると天風は言う。
僧侶で作家の玄侑宗久氏いわく、
「日々」を「ひび」とまとめるのではなく、「にちにち」と見るのが禅の思想。
それが瞬間瞬間を生きるということで、常に新しい「今」と出会っているのだと。
一日のスタートを良くするために、前夜眠りにつくときはその日一日をリセットしよう。
良いことも悪いことも今日で終わり。
明日はどんな楽しいことが待っているだろう。
新しい自分はどれだけ成長しているだろう。
昨日よりも今日、今日よりも明日と日に新たにして心身を磨いていけば、やがて想像を超える成長した自分と出会えるはずだ。
(191002 第580回)