人間って「自分がいかにくだらない人間か」ということを思い知ることで、すーっと楽にもなれるんじゃないかな
タモリ
森田一義こと、タモリさんの名言をひとつ。以前にも紹介したことがあった。が、まったくそのときの心境と今の心境がちがうため、紹介するのもちょっとためらう。偉そうなことをつらつらと書き連ねてしまったから。でも、自分のために書いておこう。くだらない人間と思い知るために。
しんどいのは、自分を過大評価しすぎるから。
心のどこかで、ほんとうはすごい人間なんだと思っているからなんだ。
きっと、自分も知らない秘められた才能があるんだろう、って。
少なくとも、わたしはそう思っていた。
いまも思っている、と思う。
だからこそ、この言葉が響いたのだ。
なにもないのにプライドだけが高くて。
あっちに手を出し、こっちに手を出し。
少し知恵がついて、上から目線。
下から見ていた空の青さや、光の輝きも見えなくなって。
えらく、りっぱになったもんだ。
そんなに「上」はえらいのか。
そんなに「上」はりっぱなのか。
おーい、わたし。
おりてこーい。
「わたし」のなかにもどってこーい。
ほんとうは、ちいさい、自分。
ほんとうは、くだらない、自分。
そんなこと、いちばん「わたし」が知っていたはず。
(200214 第617回)