世の中は、すべてがうまくいくようになっとる
経営の神様、松下幸之助翁の言葉をいま一度。経営とは会社のことだけをいうのではない。辞書によれば「力を尽くして物事を営むこと」「工夫を凝らしてものをつくること」「あれこれと世話や準備をすること」とある。つまり、経営とは社会生活を営む人生そのものをつくりあげることでもある。
混迷する今こそ翁にその要諦を問うてみたいと思ったら、松下政経塾元塾頭で志ネットワーク代表・青年塾塾長、上甲晃氏の著書『松下幸之助の求めたるところを求める』に、その答えがあった。
松下幸之助といえば、
「好景気よし、不景気なおよし」の言葉はあまりに有名だ。
この言葉の真意こそ、松下幸之助翁の経営哲学の根幹をなすものに由来する。
それは、
「世の中は、すべてうまくいくようになっとる」
「経営は真理に従う限り、必ず成功する」
の2つの絶対的確信である。
「宇宙根源の力はすべてを生かすように働いておるんや。これが宇宙の真理や。それに素直に従えば、物事は必ずうまくいく」
そう言ってはばからなかった松下翁は、どんな不況が来ても決して慌てることなく泰然自若として成すべきことを成していた。
成すべきこととは、
1、好景気のときにはできないことを、とことん考えて行う。
2、万物を生かそうと働いている根源の力に〝ありがとう〟と感謝しながら物事にあたる。
3、神様に喜ばれるような仕事をしようと努める。
大きくまとめれば、この3つのことを翁は〝素直〟に実行していたのだ。
結果、松下幸之助が率いた松下電器は不況に強い会社と言われるようになり、事実、不況のたびに成長を遂げていた。
蒔いた種も条件がそろえば芽も出すし成長もする。
条件がそろわなければ、芽も出ないし、出ても枯れてゆくだろう。
自然の真理はただしく等しい。
「そういうこっちゃ。世の中はすべて、うまくいくようになっとる」(by松下幸之助)
今回は、「夜振火」。夏の夜、川面に灯りをともすと光に吸いよせられるように魚が集まってきます。この灯火が「夜振火(よぶりび)」です。続きは……。
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(200925 第669回)