2019年の記事

詩人、小池昌代の言葉を紹介。エッセイ集『黒雲の下で卵をあたためる』から抜粋した。数年前のとある雑誌に彼女がコラムを書いていたのを最近初めて読んで、好みの文章だったので詩集とエッセイ…

予期していたことだが、2019年は終わりと始まりの結節点となった。50歳の誕生日直後、産声をあげた『Japanist』は今年１月、ちょうど10年間の発行をもって終刊とした。年に４回…

浅田次郎は、ストーリーテリングの妙と軽快な筆さばきにおいて、現代の日本人作家のなかでも一頭抜きん出ている。彼の代表作は？と問われれば、あれもこれもと両手の指がすべて折れてしまうほど…

366日分の花と言葉を集めた写真集『一日一花』を、毎日1ページずつ眺めている。花人、川瀬敏郎氏がまとめたものだ。自然の姿そのままを切り取ったような草木花と添えられた言葉が、その日一…

１年中、酒をまったく飲まない日はない。以前は休肝日を設けていたが、「食べない健康法」で知られる石原結實氏から、酒が好きなら適量を毎晩飲んでも問題なしとお墨付きをもらい、以来７年くら…

会社は私物にあらず2024年度、日本の最高額紙幣の肖像が渋沢栄一になる。聖徳太子や福澤諭吉と比べると、なんとなくありがたみが減る感があるが、「日本資本主義の父」が最高額紙幣の肖像画…

赤ちゃんとそのお母さんの笑顔を守りたいという想いを胸に、助産師として日本のみならず海外でも活躍をする大竹さん。所属しているNPO法人あおぞらは海外医療支援プロジェクトを行っており、…

文豪、川端康成の言葉である。次々と肉親を亡くし、15歳で天涯孤独となった川端。だからだろうか、彼の小説からは愛を求める切なる思いが伝わってくる。いくつもの死を見てきた川端だからこそ…

今年の９月、『新古今和歌集』を読み始めたことを小欄に書いた。併せてガイドブックという位置づけで丸谷才一の『後鳥羽院』（ちくま学芸文庫）を読んでいる。旧仮名遣いのため読みづらく、一日…

植物の運動を研究したダーウィン、植物の魂を見たフェヒナー、植物が人間の想念に反応することを発見したバクスター、植物形態の根本にある原植物を提唱したゲーテ、サボテンとおしゃべりした橋…