2022年の記事
2022.09.30
戦争は組織と組織の戦い、膨大な数の人間が参加する。そのため、戦果は数字に置き換えられることになる。「戦死者○人」などと。しかし、あらためて言うまでもないが、一人ひとりは生身の人間で…
2022.09.27
「フロンティア軌道理論」でノーベル化学賞を受賞した福井謙一の言葉である。フロンティア軌道理論とは、フロンティア軌道と呼ばれる軌道の密度や相位によって、分子の反応性が支配されることを…
2022.09.26
飯縄山に登った翌日の朝早く、朝食を摂らずに新潟県直江津市へ移動した。直江津駅近辺のファストフードでも食べてから活動を開始しようと思ったのだ。ところが案に相違して、駅の周りに飲食店が…
2022.09.25
天網恢恢疎にして漏らさず。これは老子の一説で、「天の網の目は広く大きく粗いようだが、天は良いことも悪いことも決して見逃さない」。つまり人は騙せても天は騙せない。天は厳正で悪事をなし…
2022.09.25
本コラムは25回を1クールとし、それぞれ初回にバッハの作品を取り上げるというのが唯一のルールである。全部で100回の予定だが、最終クールは『ヴァイオリン協奏曲集』で始めたい。バッハ…
2022.09.20
生涯、書の道をひたすらに歩みつづけ、世界をも魅了しながら107歳という長寿をまっとうした書道家、篠田桃紅の言葉である。随筆集『墨いろ』のなかの「包装」という項にあった。石鹸の包みに…
2022.09.20
司馬史観なる言葉がある。どちらかといえば否定的に使われることが多い。司馬遼太郎独特の歴史観で、必ずしも事実ではないというニュアンスが含まれているようだ。しかし、歴史に〝完全な事実〟…
2022.09.19
ふたたび出羽三山について。鳥海山に登った際、足を伸ばした。出羽三山とは羽黒山、湯殿山、月山をいう。いずれも山全体が神域で、古くから信仰を集めてきた。芭蕉の『奥の細道』でも、ここはハ…
2022.09.15
こと音楽に関しては洋楽一辺倒の私だが、この作品は中学生の頃、リアルタイムで聴き、以来、飽きもせず聴いている。このアルバムに引きずられる形で何年かかけて井上陽水のほかの作品も買い求め…
2022.09.12
ふとしたときに、なぜかこの言葉がよみがえる。幸田露伴の娘、幸田文の言葉である。著書『木』にあった。静岡県にたびたび起こる、山地の崩落と安倍川の荒廃をめぐっての思いだった。今から30…