物事は必ずしも自分の望んだ形となって現れるわけではない。鍵となるのは、それをどのように見て、どのような機会として受け止めるかだ
映画『スター・ウォーズ』のアニメヴァージョン『クローン・ウォーズ』の中で、ジェダイマスターのクワイ=ガン・ジンが「声」となって言った言葉だ。『スター・ウォーズ』は禅の教えに通じるストーリーだと誰かが言ったことがあるが、その人気ぶりを考えれば納得もいく。それを証明した著書『ジェダイの哲学 フォースの導きで運命を全うせよ』から抜粋した。
こうしたい、ああしたい、と思っているうちは、意外にそうならないものである。
それよりもむしろ、こんなことは想像もしていなかった、そうしたいと思っていたわけではないのに……というような、想定外のことほど理想の現実と結びついていたりするものだ。
「こうしたい」「ああしたい」は執着だから、そう思っているうちは手に入らないのだろう。
「いいイメージが大事」とか「運命は自ら切り拓くもの」と言われるのも、現代の脳科学をもってすれば当然のこと。
脳は現実も非現実も関係なく、強く思い描いたことや繰り返される思考を記憶としてインプットし、その通りの現実を引き寄せると証明されている。
しかし、そのイメージが現実となるには条件がある。
そのイメージと現実とに乖離はないか。
本当にそれを望んでいるのか。
それを証明させるために運命は試練を与える。
その試練こそ「望まない出来事」である。
クワイ=ガン・ジンの言うように、「物事は必ずしも自分の望んだ形となって現れるわけではない」が、
「それをどのように見て、どのような機会として受け止めるか」で、その後の運命は180度変わると言って過言ではない。
大いなる神は、その人が乗り越えられる試練しか与えないという。
世の中を見渡せば、「たしかになあ」と思うような例がいくつもある。
もしも今、望まない出来事に遭遇していたとしたら、それは望む未来が姿を変えて試しているのかもしれないし、もしかすると、本来の「天分」へ向かうための通過点なのかもしれない。
試練がきたら「チャンス」と思う人や、ゲーム感覚でトライする人もいるらしいし、そう思える人は望んだ以上の人生を手に入れていると聞いたこともある。
大切なのは、今生きているこの世界をどう見るのか。
現実に起こること、自分の身に降りかかることを、どう受け止めるかだ。
今回は「もてなす」を紹介。 日本の代名詞とも言われる「おもてなし」。相手を思いやり、慈しみの心でお迎えする。客人へのあたたかい心配りが「おもてなし」の基本ですが、一歩間違えると、心配りが過剰になったり、客人の言いなりになってしまうこともあります。続きは……。
(210724 第734回)