日本人として覚えておきたい ちからのある言葉【格言・名言】
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紺碧の将

ダイヤモンドとは、圧力に耐えて改良された石炭である

ヘンリー・キッシンジャー

 1970年代のアメリカの外交政策に大きな影響を与えた政治家であり、ノーベル平和賞受賞者でもあるキッシンジャー。おそらく自身の来し方も投影しているのだろう。ダイヤモンドと石炭という、まったく非なるものをひとつのものとして捉えたところに彼の途方もない時間軸が現れている。

 ダイヤモンドと石炭は、いずれも炭素で構成される物質である。炭素は想像を絶するほど長い年月、地中深くの高温高圧という環境を耐えることによって、美しい輝きを放つダイヤモンドとなる。それが耐えられないものは石炭になる。

 実はキッシンジャーという人、日本があまり好きではなかったらしく、外交的には日本にとって厳しい人だった。それがそのままニクソン、フォード両大統領の外交方針に現れていた。とはいえ、その冷徹で深い洞察力は他を圧倒するものがあり、ユダヤ人のしたたかさを思い知らされたものである。

 この言葉は、ユダヤ人の歴史そのものなのかもしれない。生まれながらに負の宿命を背負い、自らの力で人生を切り開かなければならない。現代の日本とは対極にある。そんな厳しい環境が言わせた言葉でもあろう。

 試練のない人生はない。それをいかに乗り越えるか、その真髄を表した稀有な言葉である。

(240331 第855回)

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