日本人として覚えておきたい ちからのある言葉【格言・名言】
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紺碧の将

無人島の木は倒れるときに音をたてるか否か。なにしろ音の聞こえる人間が一人もいないのだから

スコラ学派の提起した問題

 今回は逆説的な意味で上掲の言葉を選んだ。ジョン・バースの超大作『酔いどれぐさの仲買人』に出てくる。

 これぞ西洋人の思考法!(もちろん、全員とは言わないが)。とにかく人間中心なのだ。万物に霊魂が宿るということを皮膚感覚として理解している日本人には考えられない問題提起である(もちろん、日本人全員とは言わないが)。

 島に人がいようがいまいが、木が倒れるときの音はあらゆる生き物が聞いている。倒れる当の木でさえ聞いている。そんな当たり前のことが通用しないということをわれわれは知っておく必要がある。そうでなければ、相互理解はできない。

 今、禅(ZEN)に惹かれる西洋人が多いという。人間中心主義の限界に突き当たり、息苦しさを感じている人が禅の薫風にあたりたいと思っているのかもしれない。

(240607 第859回)

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