それ天下に主たらんことを願う者は、能く一方に主たり
毛利 元就
天下をとろうと願い行動する者は、その一部を手に入れることができる――
巧みな戦略と駆け引きで、安芸の小領主から中国地方の大名にのし上がった元就の言葉。
最初から小さな目標を立てていては、その達成すら困難である。ことを始めるときには夢を大きく、志を高く持つべしというメッセージである。
しかし、元就は「毛利家はむやみに勢力を拡大せず、版図の保全を望み内政に力を入れるべし」とも語っている。理想と現実を的確に捉えるこのバランス感覚こそが、元就の「戦国一の知将」たるゆえんかもしれない。
(110915第21回)