生きることは、昨日の自分に一歩つけ加えて新しい何かを今日見つけること。
小倉遊亀
小倉遊亀は女性として初めて日本美術院の同人となった画家。105歳の長寿をまっとうするまでの間、熱心に作品制作に打ち込んだ。
一歩一歩、少しずつ階段を上るように絵の道に精進した遊亀は、80代を超えてなお、制作意欲が盛んだった。
奈良薬師寺に奉納した歴史肖像画三部作をはじめ大作に挑んだ晩年の遊亀には、生涯現役として筆を握りたい、さらによい絵を描きたいという熱意に溢れていたのだ。
上の言葉は、遊亀の作風さながらに、凛として透き通った彼女の心が表れているような気がする。
(111215第27回)