自然に人情は露ほども無い。之に抗するものは容赦なく蹴飛ばされる。之に順うものは恩恵に浴する。
長岡半太郎
震災で私たちが考えなおしたことは無数にある。なかでも自然と人間との関係について、相当の後悔を抱きつつ、私たちが歩んできた自然との共生のあり方を問い直す動きが全国に生まれ、今も続いている。
長岡のいうとおり、自然は人間の存在など頓着はしない。それは見方を変えれば、人間もまた自然の一部ということだろう。抗するか従うかという択一的判断が適切とはいえないが、しかし、自然はいつでも過酷な存在であることは間違いあるまい。
(120415第35回)