人を相手とせず天を相手とせよ。天を相手として己を尽くし、人をとがめず、わが誠の足らざることを尋ぬべし。
西郷隆盛
人としてこの世に生まれた私たちだから、たいていは人を相手にしてその一生を終える。では西郷のいう「天」とは何だろうか。日本人ならば「お天道様」なのだろう。道、である。
しかし我が身を振り返れば、「人をとがめず」とは難儀なことであるし、「わが誠の足らざることを尋ぬべし」とは頭ではわかっていても日々実践となると困難を極める。そもそも「人を相手とせず」など、はたして可能なのか。
いつの日かそんな境地に達するのであろうかと、今日もまた、もんもんてくてくと小さな歩みを重ねる日々。
(120915第45回)