どんな人間だって、ある角度から見れば、そいつは主人公だ。
黒澤 明
世界の映画史に残る多くの傑作を残し、名だたる映画監督からの崇敬を一身に集める黒澤明。彼は自作30本のシナリオも手がけているが、そこには「真理の言葉」がきら星のごとく散りばめられている。格言の宝庫といっていい。黒澤の映画は見ても楽しめるし、脚本を読んでも楽しめる。
この言葉は、黒澤がさまざまなテーマに取り組んで人物造形を極めたこと、そして、黒澤組と呼ばれる優秀なスタッフたちと仕事をする中で培った哲学だ。
人の個性は、人の数だけある。つまり、人の存在価値は、人の数だけあるのである。
(120915第46回)