金は儲けなかったが、事業は飛躍的に伸びた。
出光佐三
百田尚樹著『海賊とよばれた男』で一躍その名が知られるようになった出光興産の創業者・出光左三の言葉。
その言葉通り、出光左三はどんな苦難に直面しても、つねに自分や会社の利益よりも社員や国家全体の利益を優先し、行動した。その徹底ぶりは驚き以外のなにものでもない。
1円にもならない志をどこまで貫けるか。人生のある時期は、そういう「ムダ」が必要だ。結局、その強弱が人生の分水嶺になるのではないかと思う。反対に、目先の利益に執着し続ければ、事業はやがて衰退の道を歩むことになるだろう。
俯瞰する視点で人の営みを観察すれば、その原理・原則は不変である。
(130825第79回)