神様は、人の役に立とうとしている人を応援してくれます
大山泰裕
障害者雇用で有名な日本理化学工業会長、大山泰裕氏の言葉である。
日本理化学工業は今ではチョーク業界ナンバーワンのシェアを誇っているが、そこに至るまでの道程は紆余曲折だったという。マーカーの普及に伴い、チョークの需要が少なくなったとき、障害者たちの居場所も危ぶまれたが、彼らに救いの手が差し伸べられた。それも、「人の役に立ちたい」という障害者たちの声と、「彼らを幸せにしたい」という周りの声、「この会社を支えたい」という協力者の声が神に届いたのかもしれない。
「人間の究極の幸せは、人に愛され、人に褒められ、人の役に立ち、人から必要とされることです」
大山会長は、住職からこう聞かされたとき、障害者たちの心に触れたという。
人の役に立てば褒められ、必要とされて、いつしか愛されるのだということを、ほんとうは誰もが知っている。
だから「ありがとう」と言われると嬉しくなる。
自分ができることで周りが喜んでくれると、ことのほか幸せを感じるのは、人間の究極の幸せを知っているからなのだろう。
(151019第130回)