いいかげんなヤツばっかでもくそまじめだけでも世界は完璧にならない。神様はえらい。
佐野洋子
ベストセラー絵本『100万回生きたねこ』の作者である佐野洋子は、エッセイもばつぐんにおもしろい。
毒舌な語りは小気味よく、人情味あふれる裏表のない人となりが垣間見える。
佐野は言う。
「世の中ってふたつのタイプに分けられちゃうのね。やたらくそまじめと、他人から見るといいかげんなヤツ。世界に男と女がおよそ半分くらいにばらまかれているのと同じに、このふたつのタイプがちょうどいいかげんに分布している」と。
かなしいかな、どうやらそれが世の中のありようというものらしい。
善があれば悪があり、美があれば醜がある。どちらも補い合って成り立っているということ。
なにごともバランスが大事。
とはいうものの、悪や醜をそのままにしておくのも気が引ける。
では、互いの質の差を埋めるというのはどうだろう。
(151114第138回)