自分が死んで、何ものかを生む。だから、何のために死ぬのかを問い続けることが生命の本源的価値なんだ
執行草舟
知る人ぞ知る、現代の「サムライ」こと執行草舟氏の言葉だ。
実業家であり、歌人でもある彼は、日本に唯一残る武士といっても過言ではない。
小林秀雄や三島由紀夫らと交流をもち、彼らにして「本物の武士」と言わしめた男である。
執行氏はいう。
「愛は、宇宙を構成する生命体エネルギーの根本です。愛とはひと言で言うと、自己犠牲のこと。自分ではない、何ものかのために死ぬということです。宇宙の発展を見れば、その意味はわかります」
何のために生きるのかではない。何のために死ぬのか。
死ぬために生きるのだ。
自然界をみればわかるだろう。生殖活動を終えて死んでゆく生き物たちがいることを。
そしてまた、われわれも愛によって生まれた愛の結晶である。
その命は、新たな何ものかを生み、その使命を果たして去ってゆくためにある。