日本人として覚えておきたい ちからのある言葉【格言・名言】
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私たちについて
紺碧の将

この世にどんな美があろうとも、結局「正常の美」が最後の美であることを知らねばなりません

柳宗悦

 日本各地を訪ね歩き、その地に残る手仕事から生まれる民工芸品を愛した柳宗悦。

 哲学者であり思想家でもある彼は、名もない職人たちの手業こそ自然のありようだと、著書『手仕事の日本』の中で賛辞を贈る。

 

 本当の「美」とはなんだろう。

 宗悦はこうつづける。

「『正常』というと何か平凡なことのように取られるかもしれませんが、実はこれより深く高い境地はないのであります。

 ありがたいことには、健康な性質の品物は、自ずから単純な形を取ることであります」

 

 健康とは、心も体も無事であることであり、いちばん自然で正当な状態のことをいう。

 病気やケガをすれば、体は自ずと治癒への活動をはじめるし、どんな物質も力を加えると元に戻ろうとする性質がある。

 木の性質を知り尽くした宮大工の手業である木組みを見れば、説明しなくとも一目瞭然だろう。

 自然とは、つねに正常を求めているということである。

 

 宗悦は「正常の美」とは「健康の美」のことだという。

 持っている性質を生かすことこそ、究極の自然美に近づけるのだ。

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