日本人として覚えておきたい ちからのある言葉【格言・名言】
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紺碧の将

稽古とは 一より習い十を知り 十よりかへる もとのその一

千利休

「初心忘るべからず」とは世阿弥の言葉だが、そのことを歌った千利休は、茶の湯の精神を「茶道」にまで昇華させた。

 この歌は、まさに利休の人生そのものではないだろうか。

 

 茶の湯の世界は一期一会だと言った利休は、あの狭い茶室の中で、世の無常観を伝えたかったのだろう。 二度ともどらない時を、共に過ごす客人のために誠心誠意を尽くし、その瞬間を愛おしく、大切に味わったのだ。

 互いが互いを思いやり、亭主と客という枠を超えて、人間対人間の邂逅に奇跡を感じたにちがいない。

 毎席が最初で最後であり、最高の一席となるよう稽古に励んだ利休の姿が目に浮かぶ。

 

 どんな世界であれ、達人と呼ばれる人たちは日々の修練を怠らない。 くり返し行ない身についたものは、やがて無意識のうちにできるようになるが、真の達人は、なにかが身につくたびに新たな学びを発見する。 そうやって1を10にしたあとは、ふたたび1から学びが始まるのである。

 

 稽古や学びにこれでいいという終わりはない。 練習を重ねれば重ねるほど、学べば学ぶほど自分の無知や未熟さを思い知らされる。

 この世は変化してやまない無常の世界であるということを、達人たちはだれよりも知り尽くしている。

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