良く働いた者が良く眠れるのと同じで、良く生きた者が良く死ぬことができる
中川一政
洋画家の岸田劉生に見出され、画家を志し洋画家となった中川一政は、美術家であり随筆家でもあった。作品に至っては洋画、版画、水墨画、陶芸と幅広く、書も随筆も独学でありながら独特の個性を放つ。
言葉どおり良く生きたのだろう。享年97歳であったが、晩年まで創作活動に励んだという。
ストレス社会と言われる昨今、睡眠不足に悩む人は多い。
一方で、毎日快適な朝をむかえている人もたくさんいる。
その違いはなんだろう。
一つ言えるとすれば、「快眠」は時間の長さに比例しないということ。
睡眠の不足も充足も「質」によるということを、誰もが感じているはずである。
人の一生も同じ。
快適な人生となるのか、不快な人生となるのか。
その目安となるのは「充実した(楽しい)時間」がどれだけあったかということ。
楽しい時間とそうでなかった時間の割合を考えればいい。
心身ともによく眠れる環境づくりをするように、心身ともに良く死ねるよう生きる環境を整えたい。
(160625 第209回)