日本人として覚えておきたい ちからのある言葉【格言・名言】
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紺碧の将

この世に〝雑用〟という用はない。用を雑にしたときに、雑用が生まれるのだ

渡辺和子

 ノートルダム清心学園理事長の渡辺和子さんの言葉である。著書『面倒だから、しよう』から抜粋した。

 昭和天皇の「雑草という名の草はない」という言葉にも通じる。

 

 渡辺さんがよく使う言葉に、「時間の使い方は、いのちの使い方」というものがある。

 これは、彼女が一人前のシスターになるために過ごした、アメリカでの修練院での体験から得た言葉だ。

 その背景にあるのが「この世に〝雑用〟という用はない」という観念。

 自ら望んだとはいえ、日々繰り返される修練院での単純作業に嫌気がさしていたころに気づかされた、時間への向き合い方だった。

 

 渡部さんは、続けてこう語る。

「生きていく上では、嫌なこと、したくないこと、欲しくないもの、気に入らない相手など、数々の自分にとって〝ありがたくない〟物事に向き合わないといけないことがあります。つまらない仕事を、つまらなくない仕事に変える術を、若くして修練院で教えてもらったことを、私は感謝しています」

 

 この世に「雑」というものはない。

「雑」を生み出すのは人間で、この世の創造主は必要のないものなど生み出さない。

「雑」とつくものが日常に溢れていると思うのなら、真剣に「雑」と対峙してみてはいかがだろう。

 それを生み出した自分の心が見えてくるかもしれない。

(161016 第246回)

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