ファッションとは「モテる」ためだけの道具ではなく、装いによって自分をどう表現するか
「エル・ジャポン」などで編集長を歴任した、男性ファッション誌「マリ・クレール・スタイル・ムッシュ」の編集長、田居克人氏の言葉である。某新聞の「顔」のコーナーと言えば、察しも付くだろうか。先日、その欄で紹介されていた。
ファッションのことと侮るなかれ。
この言葉は不変の真理でもある。
人は見た目じゃないと言いながら、最初の第一印象は見た目に左右されるところは大きい。
もちろん、表情や雰囲気、言葉使いなどが加わってこそではあるが、やはり、装いはその人の人となりが表れやすい。
おしゃれかどうかということ以前に、何を選び、どんな装いをしているかが重要。たとえ上等なものでなくても、その人らしさがでていればいい。
装いは着る人の生き方そのものが繁栄される。
ファッションだけではない。車や家、持ち物すべてが自己表現と言える。
しかし、世の中を見渡してみると、右も左も同じようなスタイルばかり。
流行を追うことや人と同じであることに安心感を覚えるのが日本人の特徴とはいえ、それが生きづらさにつながっているように思えてならない。
イブ・サン=ローランも言っている。
「ファッションにおいて重要なのは、その服を着ているその人自身である」と。
何を着るかよりも、どう着るか。
仕事や人生においては、何を選ぶかよりも、どう生きるか。
人の一生とは、自己表現そのものなのだ。
(161026 第249回)