ルールは盲目的に従うものではなく、自分たちで創るものである
イヴォン・シュイナード
独特の経営哲学をもつアメリカのアウトドアスポーツブランド「パタゴニア」。創立者のイヴォン・シュイナードがつくった「PATAGONIAN100ヶ条」はユニークなルールばかりだ。その筆頭がこの言葉というのもおもしろい。
「ルールは創るけれど、それをおしつけませんよ」と、最初に念を押しているようではないか。
長年、大自然と向き合ってきたシュイナードだからこそわかる自然の巡り。
どんなルールであっても、状況の変化に応じて変えていく必要があるということだろう。
世の中はルールで溢れている。
社会的ルール、道徳的ルール、個人のルール…。
人はルールの中で生きている。
ルールに縛られず自由に生きたいと思っても、人は無意識にルールを求める。
ある程度の不自由さがなければ、本当の自由は感じられないことを自分自身が一番よく知っているから。
自分なりのルールをつくるのもそのためなのだろう。
これが絶対というルールはない。
あるとしたら、自然の摂理。
鴨長明の『方丈記』に見る生々流転。
「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし」
現状をしっかりと見つめ、何かがおかしいと感じたら、そのときはルールを変えていく。
人間に備わる動物的直感を信じよう。
(161116 第256回)