哲学を学ぶより、哲学をすることを学べ
カント
ドイツの哲学者、イマヌエル・カントの言葉である。
フィヒテやシェリング、ヘーゲルと並んでドイツ古典主義哲学の祖の一人であるカントは、『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』の三大批判書を発表したことで、その名を世に知らしめた。
哲学を学ぶより、哲学をすることを学べ。
知識を詰め込むのではなく、知識を生かす術を身につけよ。
知識を知恵に変えるのだ。
人が一生で得られる知識などたかが知れている。
しかし、知識の使い方は縦横無尽にある。
食材をどう料理するのかは、その人の経験と知恵しだい。
ある人が書いた若者たちへ向けた人生のガイドブックには、こう書いてあった。
「人が言った事を単なる知識として学ぶより、自分で考え、判断し、行動する事。
未来が見えず、決まりきった生き方や人並みの人生がなくなった今ほど、自分で『哲学をする=生きることを考える』ことが大事なときはない。
哲学をすること、つまり、自分で『どう生きるかを考えること』。
それは毎日誰もがすることだ」と。
さあ、老いも若きも、日々、哲学しようではないか。
(170202 第282回)