言葉は心の足音である
松原泰道
以前にも紹介した龍禅寺元住職の松原泰道老師の言葉である。
「言葉は心の足音」という表現に感動した。なんて素敵なんだろうと。
まさに松原老師の心の足音を聞いた気がする。
発する言葉が心の足音ならば、記された文章の一文字一文字は心の足跡なのだろう。
情報化社会の現代は、姿の見えぬ不気味な足跡のルツボである。
SNSによって世界は狭く身近なものとなり、隣の芝生に土足で入り込み足跡を残していく亡霊たちが氾濫している。
庭に垣根を作らずオープンにする方もする方だが、勝手に入り込んで芝の青さを羨み妬む輩もいかがなものかと思う。
ぽつりとつぶやいた一言が、善くも悪くも人の一生を変えてしまうことがある。
他人だけではない。
その言葉を一番最初に見聞きしているのは自分自身。
気をつけたい。
心の足音に耳をすましてみよう。
どんな足音が聞こえてくるだろう。
(170208 第284回)